山梨県民がゆるキャン△の山梨ネタを解説します

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せろりんです。

登場人物が山梨を中心に生活しているアニメって、おれが知る限り「イリヤの空、UFOの夏」くらいだったんですよ。そこで登場したのがゆるキャン△とかいう神アニメです。

アニメ聖地不毛の地だった山梨の民からすると、ただ舞台にしてくれただけでも土下座で感謝なんですが、それどころかゆるキャン△は、細かい山梨ネタがたくさん登場して溢れんばかりの山梨愛を感じる最高の聖地アニメです。

山梨の人口はたかだか80万ちょい。日本には1億人いるのに原作者やアニメスタッフがニヤつきながら入れた山梨ネタがたかだか80万人ちょいにしか伝わらないというのも微妙なので、県外の人にもわかるようにゆるキャンに登場する山梨ネタを解説していきます。

オープニング

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△1話より引用

身延線を利用するチョビついている山梨県民は一瞬でピンとくると思いますが、JR東海の身延線沿線を走る313系という電車の車内です。

よく再現されています。現在身延線を走る普通列車は基本的にこいつだけで、ゆるキャン△に出てくる電車もすべてこいつです。

1話 ふじさんとカレーめん

・本栖湖かー

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△1話より引用

ゆるキャンの聖地でありながら、1話でリンちゃんとなでしこが出会った百合の聖地でもあるこの場所は、富士五湖の一つ、本栖湖です。富士五湖の中で一番西にあります。

有名な観光地である上に交通の要衝みたいな場所にある湖なので、大抵の山梨県民は本栖湖に行ったことがあります。

大抵の山梨県民は本栖湖に行ったことがあるので、斉藤恵那も写真見ただけで「本栖湖かー」察していたわけです(たぶん)

・富士川沿いっぽさ

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△1話より引用

ゆるキャン△の登場人物が住んでいるのは、山梨県の南部を流れる富士川沿いの地域です。「富士川沿いっぽい風景」というのが存在して、1話の中盤でチラッと出るここはまさにその富士川沿いっぽい風景です。

富士川沿いっぽいなー。

山梨はこうなっています。富士川沿いの峡南地域と呼ばれる地域が舞台で、市区町村でいうと身延町、南部町あたりです。峡南地域には日蓮宗の総本山・身延山久遠寺がありますが、他にはさほど有名な観光地があるわけでも、都会というわけでもないので、ここがアニメ聖地になるのは結構驚くべきことです。独特の雰囲気があって個人的にメッチャ好きな地域です

そういや「イリヤの空、UFOの夏」の舞台も富士川(釜無川)沿いの峡南地域なので、富士川沿いには何か人間を掻き立てる謎の魅力があるのかもしれません。

・なでしこの電話番号

なでしこの携帯番号は070-3776-223です。3776は富士山の標高、223は「ふじさん」の語呂合わせでしょう。

なでしこが富士山を見て自分の携帯番号を思い出したのはこういう番号だからです。

(2018年2月22日追記)

1話でなでしこが思い出したのはなでしこ姉の電話番号でした。適当言ってすまんかった。ご指摘ありがとうございました。

2話 ようこそ野クルへ!

・桔梗信玄餅

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△1話より引用

大垣が推奨しているこの「ビニールにぶちまけて揉んで食べる」という食べ方は、山梨県の若者の間ではもはや常識となりつつあります。山梨県民しかいない場所でこの食べ方をドヤ顔で披露すると「おまん今更何いっとるズラ」と叱られるくらいには有名です。

ところでアニメで登場するのは「桔梗信玄餅」です。信玄餅と呼ばれる商品は実は2種類あります。

CMをバンバン打ち、新商品・コラボ商品の販売や販路拡大をしまくっているため知名度が高い桔梗屋の「桔梗信玄餅」という商品名のものと、昔ながらの老舗和菓子屋・金精軒が販売する「信玄餅」という商品の2種類です。同じような味、同じような形ですが、商標の関係で名前が違います。

山梨県民は普通、どちらも「信玄餅」と呼びます。桔梗屋の信玄餅だからってわざわざ「桔梗信玄餅」なんて正式名称で呼ぶ人はほぼいません。どっちが元祖だとか、どっちがおいしいとかいう話を始めると戦争が勃発します。同じ山梨県民でも容赦はありません。

大垣は2話では正式名称で「桔梗信玄餅」と言っていますが、「信玄餅」は金精軒の登録商標なので、取材協力としてエンドロールに名前が乗っている桔梗屋に配慮して「桔梗信玄餅」と呼んでいるんだと思います。そのへんの大人の事情を察して空気が読める女、大垣千明、大垣千明でございます。

3話 ふじさんとまったりお鍋キャンプ

・狭小トンネル

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△3話より引用

ふもとっぱら(麓キャンプ場)に向かう途中の風景です。これも富士川沿いっぽい風景です。

右側の線路は、甲府から身延を経由して静岡県の富士までを結ぶ身延線です。なでしこ達はみんな身延線沿線に住んでいます。きっと身延線でつながっているわけです。

にしてもゆるキャン△の背景って本当気合入ってますよね。

ここです。奥に見える赤いレンガの小さなトンネルが印象的ですね。身延線はもともと私鉄だったので、狭小トンネルと呼ばれる、通常の規格より小さめのトンネルがたくさんあります。そのせいで身延線は車高が高い列車は乗り入れできないらしいです

ここで登場するレンガのトンネルもおそらく狭小トンネルです。線路沿いを流れるだだっ広い川と狭小トンネルのセットは身延線に特徴的な独特の景観なので、それを理解した上でここを背景にしたのかもしれません。さすがはゆるキャン△スタッフだなと思います。

ゆるキャンはなんとなく山梨っぽい風景を意図的に選んで背景にしているようなところがあるようなないような気がします。考え過ぎかもしれません。

・ハッピードリンクショップ

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△3話より引用

3話には「ラッキードリンクショップ」が登場します。山梨を中心にアホみたいな店舗数を誇る「ハッピードリンクショップ」が元ネタです。

空き地に自販機を何台も並べて安い値段で販売しているのが特徴です。缶ジュースは100円、ペットボトルは130円が多いです。缶コーヒーは100円を切ることも多く、70円とか80円というのも見たことがあります。車社会だからこういう業態が発展したんでしょうか。

おれの写真フォルダに入っていた唯一のハッピードリンクショップの写真です。山梨県民は普通はわざわざハッピードリンクショップなんて撮影しないわけですが、これはおれが北海道から山梨まで自転車で移動したときに長野で見つけて、嬉しさと安心感のあまりつい撮影してしまったものです。

ハッピードリンクショップは街中に多いですが、なんにも無い山道などの人間が不安になりがちな場所でもポツリと営業していることがあります。そういった立地から山梨県民はハッピードリンクショップに対して潜在的に母性みたいなものを感じています。道民がセイコーマート見ると落ち着くのと同じ原理です。

4話 野クルとソロキャンガール

・結構有名な夜景スポットだしな

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△4話より引用

「笛吹公園」として登場する笛吹川フルーツ公園から望む夜景は、新日本三大夜景の一つに数えられる大変美しい風景です。ゆるキャン△屈指の神シーンである5話ラストの夜景は実は結構な肩書を持っている風景なわけです。大垣が「結構有名な夜景スポットだしな」と言っているのはそういうことです。実際めっちゃきれいだと思います。

甲府なので都市の規模としてはたいしたことなく、夜景のスケール感だけで言えば、例えば神戸などの大都市には劣る感じはあります。でもここは山に囲まれているので普通の夜景とは違った独特の趣があって美しいです。

・ほったらかし温泉

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△4話より引用

ほっとけや温泉として登場するこの温泉のモデルは、笛吹公園(笛吹川フルーツ公園)の近くにある「ほったらかし温泉」です。全国的にも結構有名な温泉で、休日の夕方に行くと駐車場の車は大半が県外ナンバーです。

一つの施設に源泉が違う2種類の温泉「あっちの湯」「こっちの湯」があり、なでしこたちが入ったのは「あっちの湯」です。山の上から盆地を見下ろすとても景色がいい温泉です。

山の上から盆地を見下ろすタイプの温泉は山梨県内にはそれなりにたくさんあって、有名なところだと市川三郷町の「みたまの湯」なんかがあります。四尾連湖は市川三郷町なので、あのへんに行った際はついでにみたまの湯にも行っていただければ、甲府盆地の景色がほったらかし温泉の反対側から見られると同時に市川三郷町民が喜びます。たしか四尾連湖水明荘(キャンプ場の管理をしているところ)でみたまの湯の割引券を売っていたと思います。

5話 二つのキャンプ、二人の景色

・盆地っぽさ

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△5話より引用

「甲府盆地っぽい風景」というのがあって、5話で登場するこの風景も極めて甲府盆地っぽいです。甲府盆地は、南アルプス、富士山、八ヶ岳といった日本有数の高山に囲まれている上に、四方八方すべての方向に山がそびえているので、強い圧迫感がある独特の景観をしています。

右奥に見える山々は、たぶん南アルプスです。日本第二位の高峰・北岳や、日本第三位の間ノ岳をはじめとし、3000m級の山々をいくつも有する雄大な山脈です。そんじょそこらの盆地とは格が違います。

ゆるキャン△の背景は鬼みたいに気合が入っているので、甲府盆地が雰囲気まで含めて完全に再現されています。

6話 お肉と紅葉と謎の湖

・ゼブラ

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△6話より引用

山梨県を中心に展開するスーパー「セルバ」が元ネタです。リンちゃんは「52(号線)を右折して5分くらい」と言っていますが、実物のセルバは52号沿いにあります。リンちゃんの勘違いでしょうか?しまりんそういうとこあるよな。

(2019年2月26日追記)

国道300号から52号に交わる交差点を右折して5分という意味のようです。ご指摘いただきましてありがとうございました。適当を言った挙げ句しまりんそういうとこあるよなとか言ってすみませんでした。おれはそういうとこがあります。

隣に建っている「クスリのサンロード」も山梨を中心に展開するドラッグストアです。

・四尾連湖

おれは1話の時点でゆるキャン△は神アニメだと確信していたんですが、なぜかというとオープニングに四尾連湖の絵が一瞬だけ出るからです。あの一瞬で四尾連湖だということが伝わる背景の気合の入り方も凄いんですが、何より四尾連湖に目をつけるセンスがすげえと思いました。

作中でも語られているように、四尾連湖って地元住民にもあんまり知られていないんですよね。山の上にあってアクセスが大変なうえに、至る道が1本だけなので何かのついでにふらっと寄るということが難しく、あまり訪れる人がいません。湖の存在すら知らない人が多いです。

まさかあんな地味なところがアニメの聖地になるとは夢にも思っていなかったので初めてオープニングを見たとき死ぬほどテンションが上がりました。四尾連湖は秘境っぽくて静かでとっても良い場所です。なので遠くから遊びに行っても余裕で満足して帰れると思います。ぜひ行きましょう。キャンプ以外にもいろいろできます。

アニメとは関係ないんですが、四尾連湖に登山口があり、2時間くらいで登れる「蛾ヶ岳」という山が結構ナイスな山で個人的に好きです。山頂からはどでかい富士山が見えます。

・チャイ

四尾連湖のキャンプ場の管理をしている水明荘はほぼ山小屋みたいな趣です。そんで山小屋みたいなところが出すメシってたいていやる気がないわけですが、各務原姉が飲んでいた四尾連湖水明荘のチャイはまた話が別です。

どうせスティックのインスタントを湯で溶かしただけだろ、と思いきや、地元のお店が調合したスパイスを使って牛乳から煮出す本格的なチャイで最高においしいです。さらに外ごはん効果で3倍うまいです。

7話 湖畔の夜とキャンプの人々

・山梨来るとき清水のあたりで見えなかった?

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△7話より引用

富士山を擁する山梨や静岡とて、どこからでも富士山が見えるわけではありません。特に山に挟まれている峡南地区は、富士山からめっちゃ近いにもかかわらず富士山を望むことができるポイントがほとんどありません。

浜松から新東名高速を使って各務原家の新居のあたりまで行くとなると、清水のあたりでわずかな時間富士山が見えるだけで、ほかの箇所では富士山が見えません。

作中でも語られている通り、ここで寝てしまうと富士山を見ることが出来ないまま山梨生活がスタートしてしまうわけで、ここで寝てしまったからリンちゃんとなでしこは出会えたわけです。なでしこはどうせ車内でメシ食って眠くなって寝てたわけですが、その食欲がなでしことリンを巡り合わせたんですよね。

8話 テスト、カリブー、まんじゅううまい

・これ知ってる!野菜がたくさん入った味噌煮うどん!

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△8話より引用

山梨ではうどんとほうとうは完全に別物だと思われていて、山梨県民の中には、ほうとうのことをうどんと言うとちょいギレする人がいます(吉田のうどんを吉田うどんと言うとキレる人もいます おれのことだァ!)

大垣と犬山がちょいギレする人じゃなくてよかったな各務原。作中きっての山梨ナショナリズム過激派の先鋒たる大垣千明がちょいギレしなかったのは個人的には結構意外です。

そんで実際なでしこはほうとうを食べて「もちもちしてうどんとは別の食べ物だよ」なんて誰に頼まれたわけでもなく言っています。こうして山梨ナショナリストが育ちます。なでしこ、一緒に活動をしよう!

・日本人ならまんじゅうとお茶ズラ~

みのぶまんじゅうを食った大垣千明のセリフです。ズラ~は甲州弁で、語尾につける「だよ」と同様の意味です。

作中きっての山梨ナショナリズム過激派の先鋒たる大垣千明は、女子高生でありながらブサイク方言と揶揄されがちな甲州弁を使うことに躊躇がありません。

みのぶまんじゅうはとっても美味しいです。10個くらいはペロッといけます。

9話 なでしこナビと湯けむりの夜

・地元の人が家で作るほうとうは、ドロドロしててお店のやつとはまた違ったうまさがあるらしいぞ

なでしこ父の発言ですが、その通りです。家庭だと麺に粉が付いたまま煮込むので汁がドロドロになります。店で食べるとサラサラなんですが、店のも家庭のもそれぞれ違ったおいしさがあります。

そんで、さらにドロドロになった二日目のほうとうをバターと一緒に米に乗せて食べると最うまなので、一刻も早くこの事実をなでしこに伝えましょう。

・ソースかつ丼なら山梨でも食えるじゃんか!

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△9話より引用

これハイレベルすぎる山梨ネタで放送時ちょっと感動してしまいました。

県内でも認知している人は多くないですが、山梨のカツ丼って基本的にソースカツ丼で、卵とじのいわゆるカツ丼は「煮カツ丼」として区別されるんですよ。

もっとも最近は、全国の標準に合わせて卵とじのカツ丼を「カツ丼」として売るお店もかなり多いです。ちょっとハイレベルすぎますよね。オレでなきゃ見逃しちゃうね。

10話 旅下手さんとキャンプ会議

・大垣の電話番号

大垣の電話番号は070-409-2522ですが、409-2522は大垣千明が住む身延町の郵便番号です。大垣は地元愛が強すぎます。

・私、前は浜松の端に住んでたけど全然静岡感なかったもん

浜松に住んでいた頃、遊びに行くときはいっつも愛知県の豊橋だったので静岡感が無くて辛かったといったことを言っている各務原なでしこですが、そんななでしこが引っ越してきたのは山梨県の南部町です。

南部町は静岡との県境にある町です。近くの都市といえば山梨県の甲府よりは静岡県の富士宮のほうがずっと近いので、南部町民は遊びや買い物に出る場合、大抵静岡県の富士宮市に行くらしいです。

静岡なのに静岡感が無くて辛かったなでしこは、なんの因果か山梨なのに山梨感がない場所に引っ越してしまったのでした。バカな女だぜ・・・

12話 ふじさんとゆるキャンガール

・それじゃあみんなで、祝杯だー!

(C)あfろ・芳文社/野外活動サークル ゆるキャン△12話より引用

最終話のエンディングが流れる直前のシーンで描かれるのは、野クルの3人がハッピードリンクショップに駆け込む光景です。

最終話のエンディングが流れる直前という超重要なシーンで雁首揃えてハッピードリンクショップに行く、なんていう最高に極まった山梨アニメが放送されるとは山梨県民一同夢にも思っていなかったので放送当時おれを含む80万の山梨県民は全員テレビの前で土下座で感謝していたはずです。

彼女たちの、そしておれたち山梨県民の生活にはいつもハッピードリンクショップがあり、おれたちの成長を、失敗を、挫折を、そして成功を、すべてを見守るのがハッピードリンクショップです。

まとめ

こうして見てみると、どっちかというと地味な観光地やマニアックすぎる地元ネタにスポットライトを当てまくっていてめちゃくちゃレベルが高い山梨アニメだということがわかります。山梨県を背景として使っているだけではなく山梨の地理や文化にも深い理解があると感じました。それもそのはず原作者のあfろ氏は今は甲府在住らしいです。

いろいろ紹介しましたが拾えていないネタもたくさんあると思います。またもう何周かして追記するかもしれません。2期と劇場版の製作が決定したらしいですが今からアニメ2期や劇場版が楽しみですね。甲府昭和のイオンシネマで会いましょう。

終わり。

せろりんでした。

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